受験期に入っていたのとCDを買っている財力的余裕が無かったのとで、「Bluck Market Blues」以降の9mmはほとんど聴いていなかったんですね。
というか、実は「Vampire」の段階でもうそこまで興味が無くなっていたというか。
よくいるタイプですね。
「Vampiregirl」「We are innocent」「Living Dying Message」あたりでダメでした。
他はまだ聴いてすらいないのですが。
なので、久々に聴く9mmだったわけです。
「The Revorutionary」
《世界像》
乾いた感じ。後でも書きますが「The World」を彷彿とさせる『砂漠感』というのでしょうか、破壊されつくされた世界で迎える夜明け、みたいなビジョンが浮かび上がってきます。
無常さというのか、あんたら今更何するのさっていう忠告に対する不敵な笑みと一緒に漂ってそうな空気。
これだよ私の好きな9mmは。
《キーワード》
「革命」
タイトルにも。「物事が『急速に』『根本から』変わる」ことを革命と定義するのだそうです。
自分自身をよりよいものに、あるいは誰かを/何かをよりよいものに、という願望というか、意思表示、決意。
この曲の場合はどちらかというと後者ですね。
「世界」
「革命」の要素『根本から』を担うフィールド。
9mmの思想としてはそれこそかなり広範というか、広大なバックスであるはず。
「思いどおり」
他の曲ではなかなか見慣れない聴き慣れないフレーズ。
自己中心的な響きでありながら、実は万人にとっての「理想」の裏返しともいえる。
自分意志が明確になっていることが前提であり、言い換えると強く生きていなければここまでの強気な発言はできない。
あるいは、「夢の実現」の謂いともとれますね。多分に「自立」「自主」の意味合いが含まれますが。
《旋律性》
一拍外しを数回使ってくるイントロ・間奏は若干リズムがつかみにくいですが、そんなもん知るかという感じでその上にリフを乗せてくる。
強引ですがこの手法は成功だと思います。
音の質としては「supernova」に近いと思いました。
その上でだいぶ荒さが戻ったというか、小賢しい感じが減っていてよかったですね。
音の厚みという点においてはこれまでの曲と比べてかなりのものかと。
昔の面影を見つつ新しい方向に向かっていることを認識させられる、これまでのどれとも少しずつ重なり少しずつ異なる音響。
チャイニーズ風というのでしょうか、そんな部分もアクセントになっていました。
《総括》
やはり「The World」とのリンクですね。
あちらでは「世界が終わる」「世界は終わるけど僕たちは生きてかなきゃならない」みたいなやや虚無主義的な要素がありましたが、こちらは少々違う。
「世界が変わっても」「おれはおれのままさ」
「終わる」のではなく「変わる」んですね、世界が。
これは例によって二通りの解釈ができるわけですが、つまり
「世界は【悪い方向に】変わっても自分は【通常】のままだ」
と
「世界は【良い方向に】変わっても自分は【通常】のままだ」
なのですが、この判断が意外にしにくい。
音の感じだけで考えれば前者ふう、「世界が変わり果てた/荒廃した」なイメージなのですが、歌詞の物語性といいますか、とにかく後半では「世界を変えるのさ」と宣告してますから後者の可能性もあるわけです。
「世界とは私の表象である」という言葉がありますが。
この曲において、というか9mmの感覚において「世界」とは「自分外全て」だったり「自分内全て」だったりするので、案外そのあたりは気にするだけ不毛なのかもしれません。
どっちでもとれるやん。
個人的には「おれ」は表向き、「僕」は裏向きの一人称だと思っています。
「The World」で憂いていた「僕」と、「The Revorutionary」で先を見る「おれ」の違い。
これには9mmというバンドのスタンスそのものの変化もあるのかなという気もします。
リンクというなら「Wildpitch」も挙がりますね。「車」「(あなたの)眠る横顔」「朝日」あたりが共通項。
あちらがバッドエンドだとしてこちらがグッドエンディング、までいかずとも通常エンド、という対比があるような気がします。
何にせよ「世界を変える」「思いどおりに」という主題には9mm Parabellum Bulletというバンドの抱く野望というか、勢いを感じさせる力がありますね。
これを生意気、ととることももちろん可能ではあるのですが。
ですがこの前向きなスタンスを維持してほしいなというのが私としては本心でしょうか。
良曲は時間を引き延ばす、というのが私の持論なのですが、この曲はそれに該当したのではないかと思います。
《視覚的》
この曲はつべでPVを見たのですが、最初菅原さんの鳥の巣度が下がってて誰かと思っt(略
PVの構成はThe Novembersみたいだなーと。