三日目です。
短期コースゆえに仮免学科試験の存在が既にちらつき始めています。
今日も夕方から、と油断していたらお昼過ぎまで寝過ごしてしまう。
13時半起床。
我ながらさすがにどうかと思った。昨晩寝た時間からして決して早くはなかったのですが。
朝食とも昼食ともつかぬお好み焼きを作ってもらって食べる。
一緒に食べていた弟のそれよりもずいぶんとサイズが小さかったものの、ねぼすけが何を言えるわけでもなし。
弟も昼過ぎまで寝ていたのですけれどね。
小雨が降っているような、いないような、微妙な天気。
空の7割は雲。
午後3時半からということで2時半には出ようと思っていたのですが、気付けば2時45分。
想定したより余裕なく出発することに。
ウルトラ自業自得ですから仕方が無い。
傘を借りてバス停へ。
T字路を左に行ったところに停留所があるのですが、歩いていると目の前を右から左へ通過していくバスの姿が。
悠長に一本見逃して次を待つことになるのでした。
その間、バス停のところにある病院に救急車が入ってきたりして少し緊張する。
あまり物珍しさを求めてはいけない。
見世物と違うのです。
私の家は坂の上にあり、バスが坂を下るといつしか雨が降っていました。
坂下の停留所では結構な本降りに。
と思っていたら、次の坂を上がっていくころには小雨ともいえないくらいになっていた。
どういうこっちゃ。
到着時刻は3時20分過ぎごろ。
ここで誤算だったのは、夕方から夜間の場合は毎時間30分終わりの40分スタートなのですが、15時台ではまだ20分終了の30分開始という時間割組だったというのを失念していたこと。
これにより、気付けばかなりぎりぎりに入室することとなってしまいました。
教室がほとんど満室だったのは三回目の登校にして初。
学科の時間。
先生はスキンヘッドで関西じみた軽いノリ。
道路上を走る上での原則と例外について。
車線にかかわることをやりました。走行車線、追越車線という区分は高速道路で見知っておりました。
「軽車両」には自転車だけでなく、リヤカー、馬車、牛車、人力車、そり等も含まれるのだそう。
原付はエンジンを切って押して歩くと歩行者扱いになれる。
原付で横断歩道を通る裏技は案外高齢者に多いのだとか。
そのまま引き続いて同じ教室で次の時間も学科。
信号機の解説という初歩的といえば初歩的なテーマでした。
入校式~適性検査を除けば初の連続授業で少し疲れ気味だったところに映像教材は眠くなりかけもする。
青は「進め」ではなく「進んでもよい」。
黄は「注意」ではなく「止まれ」。
赤は「止まれ」ではなく「動いてはいけない」。
という感じなのだそうです。
既に止まっている車に止まれということはできない、というのは面白いと思った。
警察官が交通整理をする操作についてもここで説明。
実際にそういった光景を見たことはありませんが、昔読んだ漫画などではときどき見かけたような覚えがあります。
信号機の性能自体がまず改良されてきているのだとか。
終わると1時間の休憩。
適性検査の結果を取りに来るようにというお達しが原簿に挟まっていましたが、受付は混雑しており、空くまでロビーで待つことに。
カミュの『異邦人』を読んでいたのですが周囲の人の影響もあってか集中して読めず。
そのうち小腹がすいたので近所のコンビニにおやつ(お昼?)を求めに行くのでした。
距離にして数分のところにあるサンクス。
しかし押しボタン信号がなかなか変わらないという罠。
ジャンプとスクエア、近代麻雀を立ち読みしてパンとおにぎりを買う。
351円。
先ほど学科の教室で見かけたような女子数名をここでも見かける。
自動車学校に通う女子のスウェット率は相当なものです。
おにぎりを食べながら戻る。
ここからは教習が2時間連続しています。
これも3日目にして初のこと。今後もないかもしれない。
配車券は来校時に既にもらってあったのですが、今日になりようやく2枚の配車券に記されている教官の方の名前が異なっていました。
さすがに同じ先生に2時間連続というのはお互いにきついのではと懸念していたため安堵。
当然といえば当然の処置なのですが。
最初の方はおじさんの先生。
話し方がどことなく母方の祖父に似ていると思った。
車の中で教本を示し、その後交替して出発するときに室内ライトが点けっぱなしで、先生が「ああ、ごめん」と言ってそれを消した後、
「小さい頃とか、このライトつけてお父さんに怒られたりしなかった?」
と尋ねられました。
「そうですね、確か」
「それでそのとき何て言われた?」
「バッテリーを食うから、と」
と答えたら笑われました。なるほどそう来るか、といったところ。
「私は以前中学生の塾講師をやってたんですけどね、そこで生徒さんが、車の中でライトつけたらいけないのはどうしてですか、と訊いてきて、どうして気になるの、と返したら、お父さんにすげー怒られたから、って言っていて、それはおもしろいな、と思って、それ以来いろいろな人に訊いてみているんですが、まあいろいろな言い訳があっておもしろいね」
実際は、夜に明かりをつけると明るさの都合でフロントガラスがミラー状になり、ドライバーは先が見えなくなるから、なのだそうです。
走行中に突然それをやられると「すごい怒る」しかないのだとか。
世間話はこれっきり。
あとはひたすらカーブと交差点を8の字状に走り続ける。
ちょうど前方にマニュアル車が遅く、いまひとつ時間的に円滑な走りはできませんでした。
どうやらハンドルを切るときに焦ってしまうようです。
ほとんど直角に曲がるというのか、ある程度進んでから大急ぎでハンドルを目いっぱい回してしまっている。
慌てるな、ということを繰り返して強調されました。
そしてアクセルは「じわーっと」踏むこと。
ノルマクリアのハンコはここではお預け。
次の時間の先生の名前を示すと「ああ、その先生なら厳しいからきっと直してくれるよ」といわれる。
めっさびびる。
その厳しいと前振られた教官の方ですが、第一印象は二日目の先生のほうがよほど怖いわ、というくらい。
高校時代の先生にこんな方いらしたなあ、というように思いました。
直接教わった先生ではありませんでしたが。
スピードを出したら、曲がるところに差し掛かるより車一台分ほど手前で減速してしまうとよい。
余裕を手に入れることができれば焦らずに済むということだそうです。
考えてみればそれは当然のことなのかも。
ラインを敷くこと。
自分がこれから通る道を描くこと。
そしてその上を「素直に」なぞっていくこと。
そういった行程を実践するようにという指示。
「見て/見たところに動かす」というのは、「自分が」「そこに」「行く」ということなのだそうです。
「車が」行くのではない。
「自分が」行く。
自転車でもそうでしょう、といわれ、なるほど、と思う。
何事でもそうだと思う。
停止線に止まった際、まっすぐ向いていると思ったら右に傾いており、「そのまま進めてみい!」といわれて対向車線に入ってしまいました。
自分が正しい方向を向いているのかどうかさえ、まだ不安定的ですらある。
その保証をしてくれるところのリアリティというものが私には体質的に欠如してさえいるのではないかと思ってしまう。
右折はそこそこよしとして問題は左折。
「左折はいかにゆっくり進められるか」が大切という。
ブレーキを紙一枚単位の感覚で強め、緩め、ゆっくりと進める。
ブレーキペダルの操作はかかとが浮いているためにやりにくいやらやりやすいやら。
残りの10分少々で「坂」に入りました。
上り坂の途中でブレーキを入れること。
下りはギアをローに入れてエンジンブレーキを利用しながらゆっくり下りること。
きつい坂を上るときはサイドブレーキも使うこと。
ギアを入れるときは手元を見るなと言われ、どうすりゃいいねんと思っていたら、スピードメーターの付近に現在のギア位置を示している部分があったので、なんとかなりました。
なんとか、本当に半分はおまけくらいでハンコを獲得。
達成感はともかく結果だけはなんとか残したということでありました。
終わってみれば8時半。
最終時限まで学校にいたのは思えばこれも初めてのことです。
メールを打ちながら雨の降らない道を歩く。
どこかのライトを雲が受け止めていたのが見えた。
またバス待ちが長く、家に着いたのは9時過ぎでした。
時雨の「ハカイヨノユメ」「Re:automation」を聞きながら家路に。
夜は一定の時間を過ぎると途端に静かになるような気がした。
生活の閾値。
振り返ってみて、やはりもう世間話のような悠長なやりとりはできなくなりつつあるのだろうな、という感想が強いです。
それとも単に担当教官次第だったりするんでしょうか……
ともかく次回の自分のハードルは無闇に上げてしまった気がするのですが、はてさてどうなることやら。
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