2学期(10月2日~12月18日)に読んだ本の一言感想メモです。
冊数少ないので(略
・『とくまでやる』/清涼院流水
御大の作品にしてはまあそれなりにまとまっているかなという印象。メリーに釣られたからというわけでないですが牛木氏のイラストが力を発揮しているということなのかもしれない。
2ページで1日進むという形態上どうしてもラストに行くにつれて密度が追いつかなくなる。発想の敗北。仕方ないといえばそれまで。
エピソード自体は作者ではおとなしいレベル。流水大説()ではぶっちゃけこの程度ジャブにもならん。
・『ぐれる!』/中島義道
なんだかんだでこの人の著作をしっかりと読んだのは初めてだと思う。ちなみに友人の師匠。知っている人の間ではそれなりに有名。しかしまあいつもこうなんだろうなあ論調……
世間に対して多少なり否定的・後ろ向きというのか、その手の論旨にしてはやはり筋が通っているようではあった。的確な指摘もあったと思う。事実私もそれなりに影響を受けていたわけですし。
しかしまあまともにぶつかったら自分とは意見合わないだろうなあとも思った。あと自分の読書量の少なさを呪った。これが10代最後に読んだ本だっていうのだから私も大概ですね。
・『きつねのはなし』/森見登美彦
病床にて一気に読破。でも伏せってるときに読む話じゃなかったと今にして思う。
全体的にとにかく暗い。もりみんの『得体の知れないモノ』の描写が全力。真冬の廊下を裸足で小走りするような(褒め言葉)いつもの軽快な雰囲気を期待して読む人は心したほうがよいと思われます。
ただ、後半になるにつれて何が起きているのかわかりにくかった印象はあった。単に私の集中力の問題だったのかもしれない。
・『オカマだけどOLやってます。完全版』/能町みね子
なぜ文庫で出したし。
思ったより人間の人生って変遷できるんですねという意外さ。それこそ性転換までいかずとも転職とかそういうレベルの話。案外社会人ってそんなもんなのか。
一応ブログ本であるので文体の甘さは拭えないところがあるものの、それでもだいぶマシな部類だと思った。流石に現在文筆業に従事しているだけはあるか。
興味ある分野をいつもの学術的角度とはまた異なる角度から見ることができたかんじ。ちなみにレポートの参考資料にしました。
・『ああ、自己嫌悪』/勢古浩爾
自己嫌悪をこうこうこうして治してレッツ社会復帰という本ではなくむしろそういう態度に対立する立場。
心の動きということに貫かれた結論はわかりやすいが、そこに至るまでに妙な横道が多すぎた気がする。やはり哲学書や評論というのとは違うのか。随筆というほど軽くはないのだけども、時々説得力に欠ける箇所もあったような気がする。それはそれで楽しい文章ということなのですかね。
氏の著作はこれで2冊目になります。最初に読んだのは昨年の夏休みに地元の図書館で借りた『まれに見るバカ』(のちに古本屋で購入)でした。中島義道・池田晶子という名の知れた哲学ライターに喧嘩を売る人は他にまだちょっと知らない。
・『キッチン』/吉本ばなな
演習の資料にする名目(謎)で手を伸ばす。大昔に一度読んだことがあるはずなのですが、というか読みながらああこれいつか昔に読んだ気がするわーと思ったのですが、改めてこの歳(ハタチ)になって読むと老けただけ印象が変わったと感じた。誰ですかこの本子供に勧める輩は。明らかに大学生以上向けじゃないですか真価がわかるのは。こんなもん子供が感動できるかよちくしょう。
描きたいものはとても美しいのだが少し気取りすぎた箇所もあったと思う。そういう人なのか。あと個人的にはカップリングの『ムーンライト・シャドウ』のほうが好き。
・『gift』/古川日出男
久々に氏の作品を読んでやはり時々は補給したい文体のひとつなのだなあと思った。ちなみに現在『聖家族』を年内に読み終わるかどうか賭けをしているのですがまだ本棚から取り出してすらいません←
短編集。それも19作品もある、掌編集といってしまってもよいようなもの。さらさら読めた。ただ、さらさらしすぎたかもしれない。目次に戻って題名と作品内容がすぐには符合しなかったものはそれなりにあった。もちろん各話のタイトルが非常に目立たない位置にあったことも一因とは思う。
軽さというものはいつでも難しいですね。
とはいえエピソードの残り具合はどれもそれなりになかなか。「夏が、空に、泳いで」「ショッパーズあるいはホッパーズあるいはきみのレプリカ」「生春巻き占い」がよかった。と感想メモには書いてあります。今読んだらどうなんだろうか。短編は気分次第で評価がぶれると思う。
・『うそつき~嘘をつくたびに眺めたくなる月~』/日日日
相変わらず軽い。新書ばかり読んでいた夏を思うと驚くような速さで読めてしまい、ラノベってこうなんだな、と改めて思う。作者は後書きでたまにはこういう真面目なのもっていっているようですがどう見てもラノベです本当に(ry
前作『ちーちゃんは悠久の向こう』の、キャラクターの方面に幅を持たせたヴァージョンという印象。また最後になって指数関数のグラフさながらに話を急カーブでまとめあげたりしていたのはこの人のクセなのだろうか。
その割にオチなどベタベタなのでやはりキャラを楽しむものなのだろうなと思った、良くも悪くも。
・『自分を知るための哲学入門』/竹田清嗣
入門と銘打つ割には随分踏みこみましたね。しかし解説というにはざっくりか。もしかすると一番役に立ったのは巻末の読書案内かもしれなゲフンゲフン。でもああいうのは便利。
全体を通して「自分/他人」を語るために色々出している感じ。あくまで「自分を知るため」ということなのでしょうか。
余談ですが「今これ読んでるんですよー」と先輩に紹介した際に「いやいやお前にゃ無理だよ」と返されて軽く傷ついた。
・『私のおわり』/泉和良
タイトルと作者と表紙(笑)といかにもな感じの帯がそのまま付いていて105円だったのとで釣られてみた。
読みやすそうだからと思っていたら本当に猛スピードで読み終わって軽くヒいた。「泣ける」とか「切なさ100%」とか帯に書いてありましたが本当に時間返せ的な意味で泣けたし文章にエピソードが無くただ私は悲しいです悲しいです悲しいですと羅列してあるだけだったので確かに切なさだけしか書かれていなかった。
お涙頂戴が寒いし主人公が死んで過去に飛んだというシステムあまり活かせていないし説明のための説明になっているし無闇な設定披露が鬱陶しいし全体的にいまひとつ。
「エレGY」を立ち読み数ページで切ったのは正しかったということでしょうか。
・『春季限定いちごタルト事件』/米沢穂信
シリーズものを妙な順に読むのにも慣れたもので。
とりあえず大いなる失敗として過去に漫画版上巻を読んだことがあったために前半は先がわかってしまったことが挙げられます。ネタが割れているミステリは存在価値が無いかというとそうとも言い切れませんしもちろんこの作者さんは文体が楽しめるのでよいといえばよいのですが。どうせそんなに考えてミステリ読まな(
無念。
しかしそれがしっかりと後のための伏線になっていたのは高評価。ただしラストは少々不完全燃焼でしょうか。
文体そのものはさらりと読めました。やはりこの人とは相性がいいということなのかそれとも単純なライトさということなのかは謎。
・『とくまつ 夜霧邸事件』/清涼院流水
……何で御大に始まり御大で終わらにゃならんのだよ!
つい先日病床の暇に明かして読了。このページの先頭にある作品からの続き。何故続いたし。前作を読んでいないと何が何やらさっぱりわからない(登場人物の紹介やシチュエーション等はほぼ省かれているため)上に主人公たちがあまりに何もしなさすぎる。主人公サイドにアクションがないせいで結局残るのは犯人が人を殺すシーンだけということになり、しかもそれが一方的な虐殺であるために見ていて面白くない。開くページ開くページ人が死ぬ話は御大の常套手段としても今回はあまりに何も実がない。前作と違い、先回り的にカウントを稼いでいるために、時系列につれてカウントアップ式に犠牲者が増えていくシステムの面白味もまったく掻き消えてしまっている。同じシーンを何もしない主人公ら4人で回したりしているのも冗長。
暇つぶしとして読んでおいてこんなことをいっても仕方ないですが時間の無駄。今回はイラストも少ないし。
その他
・『アトモスフィア 1』『アトモスフィア 2』/西島大介
漫画作品。ハヤカワのJ-COLLECTIONなので一応メモ。漫画ですけどね。
SFというよりホラーなのだろうか? ゲシュタルト崩壊という現象の怖さを知っていればぞっとします。無機質で乾燥したホラーとはこれいかに。
ラストはすごかった。
・『凹村戦争』/西島大介
上に同じく。漫画なんですけどね。こちらが作者のデビュー作。
改めて考えると『宇宙戦争』がSFに分類される理由とはどういったところにあるのだろうか、と思った。そういう意味ではSFなのやらどうなのやら、というか。どうやら内容ももっとシニカルな主張のようですしね。
映画について知識があったほうがおもしろいのだろうな、と思った。映画は全く専門外。
・『Dear サンタさん』/ふくだ すぐる
絵本。
かわいい。
以上です。また何か思い出したらその都度追加するかもです。
……なんというか途中から選書がすごい雑になっているような(遠い目)
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